第11回 脳型人工知能とその応用ミニワークショップ

日時:2019年12月26日(木) 14:00-16:50

14:00-14:10 ATR 脳情報通信総合研究所 BRI室 主幹 内部 英治

14:10-15:10  九州工業大学大学院  生命体工学研究科  人間知能システム工学専攻  准教授  田向  権  先生

15:10-15:40  休憩

15:40-16:40    京都大学 学術情報メディアセンター 教授 森  信介  先生

16:40-16:50 ATR 脳情報通信総合研究所 DBI室 室長 川鍋 一晃

 


14:10-15:10 九州工業大学大学院  生命体工学研究科  人間知能システム工学専攻  准教授    田向  権 先生

タイトル:「生活支援ロボットのための脳型人工知能」

概要:家庭やオフィスといった環境で人間と共に働く生活支援ロボットの重要性が高まっている.我々は,Toyota HSRとオリジナルのロボットExi@の開発を進めており,世界最大のロボット競技会RoboCup@Homeリーグへ参加している.RoboCup@Homeでは,家庭やオフィス環境での実用的応用を目指したタスクが設定されており,例えば,レストランでのウェイターや,子供部屋の片付けなどを題材に,その出来栄えを競う.この実現のためには,物体検出や認識,音声認識,自律移動,行動計画など,多数の知的処理をロボットへ実装する必要がある.一方で,全ての機能を有する生活支援ロボットの頭脳を目指すという点では未だに課題発掘の段階にあり,ロボティクスや人工知能分野のみならず,脳科学や神経科学からもヒントを得た探索的研究の必要性が示唆される.本発表では,RoboCup@Homeの競技とロボットについて概説し,生活支援ロボット向けの脳型人工知能の事例として,深層学習のためのデータセット半自動生成法と,扁桃体・海馬・前頭前野融合モデルのロボットへの応用を紹介する.

 

15:40-16:40 京都大学 学術情報メディアセンター 教授 森信介 先生

タイトル:「マルチメディア言語処理 — 手順書の解析・生成と計算機の思考の言語化 –」

概要:自然言語処理と他のメディアとの融合についての発表者の取り組みを紹介する。1つは作業実施の動画や写真列と手順書についての研究であり、調理の写真列からレシピを生成する試みや、そのためのデータセットの構築を紹介する。もう1つは将棋の自動解説である。盤面とそれに対する計算機の思考の結果を参照しつつ、現在の状態や将来予想について解説する方法について述べる。また、これらの基礎となる様々な分野でも高い解析精度を実現するための自然言語処理ツールとその設計思想について述べる。