第8回 脳型人工知能とその応用ミニワークショップ

日時:2018年10月29日(月) 14:00-16:50

14:00-14:10       ATR 脳情報通信総合研究所 DBI室 室長 川鍋 一晃

14:10-15:10       NEC データサイエンス研究所  主任 石井 雅人 先生

15:10-15:40       休憩

15:40-16:40      東京大学大学院情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻修士課程  包 含 様

16:40-16:50       ATR 脳情報通信総合研究所 BRI室 主幹 内部 英治

 


14:10-15:10 NEC データサイエンス研究所  主任 石井 雅人 先生

タイトル:少数データのための深層学習技術

概要:本講演では、学習データが少数である場合に効果的な深層学習を行うための技術について紹介する。深層学習の実応用においては、十分な量の学習データが得られない、あるいは得るためのコストが高すぎる場合が多く、従来の深層学習技術では過学習によって性能が劣化するという問題があった。この問題を解決するため、NECでは2つの技術を開発した。1つは、層ごとに適切な正則化を自動的に行う技術、もう1つは、学習に効果的なデータを深層ネットワークの内部で自動生成して学習する技術である。これらの技術について紹介し、特に画像認識タスクにおいて有効であることを実験により示す。

 

15:40-16:40 東京大学大学院情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻修士課程  包 含 様

タイトル:弱教師付きデータを用いた統計的分類

概要:昨今、様々な分野において機械学習によるデータ分類・知識発見が注目を浴びて いる。一方で、データの分類器を訓練するためには大量のラベルが必要なので、 ラベルを得るコストやプライバシー上の問題からラベルが十分に得られないことがある。このように得られるラベルの量が少なかったり、不完全なデータしか得 られない状況下で分類器を学習する問題設定全般は「弱教師付き学習」と呼ばれている。 従来の多くの弱教師付き学習の手法は、データの幾何的な構造に関する仮定をおくものが主流であるが、未知のデータに対する予測の良さを表す汎化性能の枠組みで論じられることは少なかった。そこで汎化性能を定量的に評価する手法とし て、不偏リスク推定のテクニックを用いた弱教師付き学習の枠組みが近年提案されている。 本講演では、近年の不偏リスク推定にもとづいた弱教師付き学習の進展を紹介する。具体的には、PU学習(2クラス分類で片方のクラスのデータとラベルなし データしか手に入らない)や半教師付き学習などの例を紹介する。また、ディー プラーニングを適用する際の技術的課題や、理論的な学習限界をはじめとした最新の結果についても触れる予定である。