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今水 寛
【いまみず ひろし】

科学技術振興事業団 創造科学推進事業
川人学習動態脳プロジェクト
計算心理グループ


主な論文
共著論文
書  籍
学会発表
略  歴
 
連 絡 先


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研究分野

人間は目や耳などの感覚器官から外部世界の情報を取り込み,脳で適切な情報処理を行い,運動器官を操作して外部世界に働きかけている.目の前にあるものに手を伸ばすとき,どの筋肉をどれくらい収縮させるかなどと考えなくても,一瞬で正確に手を伸ばすことができる.感覚情報と運動情報の結びつきを,長い時間をかけて学習・記憶しているからである.このような学習を可能にする脳の仕組みを,実験心理学,計算理論,脳機能イメージングの手法を用いて解明している.最近は,道具の使用や自己認識など認知機能と,運動学習の関わり合いに興味を持っている.


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主な論文

別刷資料の請求先 ---- imamizu@atr.co.jp

■ Imamizu H., Miyauchi S., Tamada,T., Sasaki Y., Takino R., Puetz B., Yoshioka T., Kawato M. (2000).
Human cerebellar activity reflecting an acquired internal model of a new tool.
Nature, 403, 192-195.


 新しい道具の使い方を学習しているとき,脳でどのような変化が起きているか.
 獲得された記憶が人間の小脳に獲得される様子を明らかにした.

 → Nature 誌ウェブサイトの本文と紹介記事[News &Views](登録必要)
 → 実験で使った"a new tool=回転マウス"は,日本科学未来館に展示されています.

■ Imamizu, H., Uno, Y., & Kawato, M. (1998).
Adaptive internal model of intrinsic kinematics involved in learning an aiming task.
Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance, 24(3), 812-29.


 ある日突然,「脳が出す運動司令」と「腕の関節角度」の関係が変化したらどうなるか?
 3次元位置記録装置とコンピュータ画面を使い,仮想的に関節角度を変換.
 人間がどのように適応するか調べた.→ 原稿 [PDF(2.2M), 圧縮版(682K)]

■ Imamizu, H., Uno, Y., & Kawato, M. (1995).
Internal representations of the motor apparatus: implications from generalization in visuomotor learning.
Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance, 21(5), 1174-98.


 ある狭い領域で学習したことが,他の領域にどのような効果をもたらすか?
「応用の利く」感覚運動学習メカニズムを実験心理学の手法で解明した.

■ Imamizu, H., & Shimojo, S. (1995).
The locus of visual-motor learning at the task or manipulator level: implications from intermanual transfer. Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance, 21(4), 719-33.


 一方の手を使って学習したことが,他方の手を使う行為に影響を及ぼすことを両手間転移効果という.
 強い両手間転移現象を心理実験で捉え,計算理論の枠組みから考察した.


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共著論文

■ Miall, R.C., Reckess, G.Z. & Imamizu, H. (2001).
The cerebellum coordinates eye and hand tracking movements.
Nature Neuroscience, 4(6), 638-44.


■ Miall, R.C., Imamizu, H., & Miyauchi, S. (2000).
Activation of the cerebellum in co-ordinated eye and hand tracking movements: an fMRI study.
Experimental Brain Research, 135(1), 22-33.


 例えば物をつかむとき,視線が向く先と手が伸びる先は一致しているので,的確な動作が可能になる.
 眼球を動かすメカニズムと,腕を動かすメカニズムのコーディネーターとして,小脳が重要な役割を果たしていることを示した(2部作).

■ Flanagan, J.R., Nakano, E., Imamizu, H., Osu, R., Yoshioka, T., & Kawato, M. (1999).Composition and decomposition of internal models in motor learning under altered kinematic and dynamic environments.
The Journal of Neuroscience, 19(20):RC34:1-5.


 人間は,異なる環境で学習した成果を組み合わせたり,必要に応じて分離できる.
 感覚運動学習の柔軟な仕組みを明らかにした.
 → オンライン版Journal of Neuroscience誌の本文

■ Tamada, T., Miyauchi, S., Imamizu, H., Yoshioka, T., & Kawato, M. (1999).
Cerebro-cerebellar functional connectivity revealed by the laterality index in tool-use learning.
Neuroreport, 10(2), 325-31.


 小脳外側部と大脳皮質前頭連合野の機能的結びつきが,道具の使用に重要であることを明らかにした.

■ Itakura, S., & Imamizu, H. (1994).
An exploratory study of mirror-image shape discrimination in young children: vision and touch.
Perception and Motor Skills, 78(1), 83-8.


 幼児は目で見たものの形より,手で触ったものの形の方をよく記憶していることがある.


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書籍

■「認知科学の新展開 第3巻:運動から言語へ」 乾・安西(編)岩波書店
 第1章 運動学習と道具の使用

 感覚運動学習の側面から,道具の使用に関与する神経機構について展望.

■「脳科学大事典」甘利・外山(編)朝倉書店
 III. 脳のモデル 3-1.最適軌道の計画(大須さんと共著)

 目の前にあるものに手を伸ばすとき,手先の軌道はどのように計画されているのか.

■「脳科学大事典」甘利・外山(編)朝倉書店
 III. 脳のモデル 3-19. 大脳皮質の情報表現

 脳内で,運動はどのように表現されているのか.
 運動を行うための情報処理(軌道計画,座標変換,運動司令生成)は,どのような順番で解決されているのか.

■「認知心理学 第1巻:知覚と運動」乾(編)東京大学出版会
 第9章 運動制御と視覚・自己受容感覚

 心理学の枠組みで運動の計算理論を解説.


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学会発表

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講義

■2000年度 神戸大学文学部集中講義
 「感覚運動学習を可能にする中枢神経機構〜計算理論,行動実験,脳機能非侵襲計測からのアプローチ〜」

 概要と参考文献 [PDF]


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略歴

 1992      東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学【95年 博士(心理学)取得】
 1992ー1996  ATR人間情報通信研究所奨励研究員
 1996ー現在  科学技術振興事業団川人学習動態脳プロジェクト計算心理グループリーダー


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連絡先

 619-0288 京都府相楽郡精華町光台2−2−2ATR内
 科学技術振興事業団川人学習動態脳プロジェクト

 TEL 0774-95-1220 FAX 0774-95-3001
 imamizu@atr.co.jp

 ATRへの道案内


2001/6/10 更新

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