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東京大学大学院工学系研究科 計数工学専攻 博士過程1年の伊藤と申します。
私は、脳神経系を理解する一つの手段として、実際の神経系がどの程度 正確にはたらいているのかについて考えてみたいと思っています。
例えば各細胞のaction potentialの生成についてはHodgkin-Huxley 方程式 のような形で記述する努力が進んでいますが、ネットワークとして実際の 神経系がどの程度正確にはたらいているのか、言いかえれば神経系のどの ような変数を取ればその時間発展を正確に記述できるかについてはまだ 良く分かっていないと思うからです。
大脳皮質の情報表現が分かるということは第1段階として、このよ うな問題、すなわちニューラルネットワークのどのような動作が正 確に行われているかが分かるということを含むと思います。例えば、 ある実験の結果としてどのような神経現象が再現性よく観測される かが分かるということは、情報表現を理解する上で大きな一歩とな るだろうと思います。
ただし、何かを指してこれが大脳皮質の情報表現だというためには、 それが再現性よく観測される現象であることに加えて実際に情報処 理に用いられていることを示す必要もあり、一段難しい問題となる でしょう。これをどのように示すのかについても考えてみたいと思います。
サマースクールでは講義・議論・実習を通して、深く考えたり、 あるいは具体的に研究に役立つ知識を得たりすることができると 期待しています。 また、目標や興味の共通する参加者の方々と、 日ごろできないような突っ込んだ話もできればと期待しております。 どうぞよろしくお願いいたします。
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