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名前 加 藤 荘 志
所属 広島大学大学院国際協力研究科
e-mail tkskato@ipc.hiroshima-u.ac.jp

プロフィール

メッセージ

 最近の神経科学では,電気生理学を中心とした実験主体のアプローチの一方で,計 算論的神経科学のような理論主導型のアプローチも行われるようになりました.神経 科学における実験的アプローチと理論的アプローチとの有機的な交流は,今後ますま す盛んになるだろうと思います.  
 私は,これまで誘発筋電図を中心とした生理学的手法により,ヒトの脊髄神経機構 が随意運動の制御に果たす機能的役割について研究してきました.脊髄神経機構に関 する解剖学的ならびに電気生理学的研究は今世紀初頭から始められ,すでに100年近 い歴史を持っています.この実験データの多くは,麻酔下の動物実験から得られたも のであるため,随意運動と脊髄神経機構との関わりを考える上では,覚醒動物での実 験がどうしても必要となります.しかし,実験手法上の問題から,脊髄神経機構を対 象とした覚醒動物での研究はほとんど行われていないのが現状です.
 そこで私は,今世紀初頭から行われてきたネコやサルでの急性動物実験による知見 をもとに,脊髄神経系−筋・骨格系の数理モデルを構築し,計算機シミュレーション によりこの問題に取り組もうと考えました.現在,ヒトでの生理学実験のかたわら, 数理モデルの構築にも勤しんでおります.
 NISS*99は約1週間という短期間のセミナーですが,日本全国から「神経情報科学 」というこの新しい研究領域に興味を持った仲間が一同に集い,講師の先生方とも活 発な議論が交わせるものと期待しております.夏の葉山で皆さんにお会いできる日を 楽しみにしております.

 

 


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e-mail: niss99@erato.atr.co.jp
http://www.kawato.jst.go.jp/doya/niss99