脳ダイナミクスの遷移を可視化する技術の開発

脳の状態遷移を機械学習で解明

本プロジェクトの仮説では、こころの状態遷移を脳における非線形ダイナミクスのアトラクター間の遷移として捉えます。本研究開発課題では、モデル駆動の生成モデルとデータ駆動の解析モデルを、データ同化とデータ拡張で組み合わせ、脳の状態遷移を定量化する手法を開発します。脳シミュレータと脳波・fMRIデータ解析を通じて、脳波から脳状態遷移を推定するアルゴリズムを構築することで、リアルタイム可視化システムの開発に貢献します。

課題推進者 川鍋 一晃

脳状態のリアルタイム可視化

私にとっては自明な「心模様」は,どうすれば自分で見ることができるでしょうか。その私のこころの状態と脳の状態は厳密に結びついているでしょうか。こころを鍛えれば脳が変わり,脳を鍛えればこころも変わるでしょうか。東洋思想の伝統である瞑想は,こころを捉えるために厳しい修行を目指してきたそうです。しかし現代の我々は,脳の理解も進み,機械による強力なサポートもあります。そこで目指すべき月面とは,体現困難とされてきた「涅槃の境地」に到達することと考えました。脳の非線形ダイナミクスを機械によって捉え,そのフィードバックを受けて調節することにより,私のこころはどう変われるでしょうか。また,安定と躍動,安らぎと慈しみを表現する脳の状態遷移とはどう見えるでしょうか。文理の枠を超えたone teamで,この難題に挑みます。

課題推進者 浅井 智久