設立趣旨
脳科学は、知と心の源泉を問う学問です。基礎科学の性格が強かった脳研究はその急激な進歩に伴い、心と社会の問題、教育、コミュニケーション、経済活動、先端医療、リハビリテーションなどへの影響を強め、応用科学の側面を持つに至りました。脳科学の成果を社会に還元し、それによってさらに脳研究を推進する「脳と社会」の共栄の時代が到来しました。
脳科学の新しい潮流には,ニューロデコーディングやニューロマーケティングなどの『脳を読む』研究、ブレインマシンインタフェース、脳深部刺激療法や脳情報フィードバックなどの『脳を繋ぐ』研究、そして神経倫理などの『脳と社会』との関わりを深める研究などがありますが、『脳を活かす』研究としてまとめることができます。これらの研究は社会に計り知れない影響をもたらすものと期待され、脳科学の研究の発展、情報科学技術との融合、さらにその社会への貢献をめざす活動として、全世界が総力を挙げて、推進しています。
このような世界の潮流に呼応して、私どもは「脳の世紀」運動などの啓蒙活動を繰り広げてきましたが,脳科学の応用的側面の急激な展開を受け,神経科学、脳機能計測、情報処理、先端医療、ロボットなど我が国の世界に傑出した研究分野を結集し、学、官、産の壁を越え、総力を挙げて世界をリードすべく、『脳を活かす』研究会を立ち上げる時がきたと考えます。
本研究会の目的は、研究分野、機関、官庁の壁を越えて研究者・技術者・政策決定者の連携と相互理解を強め、脳科学の成果を社会に還元することにあります。そのために、分野を越えた協同研究、若い研究者の育成、研究者の自己研鑽などにより独創的な研究とその応用を推進し、研究の重要性を一般に広報し、効果的な研究施策を関連官庁に提言することを目指します。この趣旨に賛同される研究者、技術者、企業関係者、官公庁関係者、その他の有識者の皆様の幅広い参加を募ります。発足記念一般講演会を2006年4月4、5日、国際電気通信基礎技術研究所(京都府けいはんな学研都市)で開催します。ふるってご参加ください。
一般講演会は終了しました。多数のご参加を頂きまして、ありがとうございました。
研究会への会員登録方法,講演会,研究会の開催案内は,以下のURLにてご確認頂けます。
http://www.cns.atr.jp/nou-ikasu/
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