CMC
認知機構研究所 ~高次脳機能を解明する~
最先端の脳活動計測法・ロボットや計算機による脳機能のシミュレーションを用いて、人間の高次脳機能を解明し、コミュニケーション支援や使いやすいインタフェースの開発に役立てます。
認知と学習の脳内機構を知る
人間の知性と適応性と支える認知と学習のメカニズムを、計算理論・心理実験・脳活動計測を組み合わせて解明しています。脳の動作原理の理解をもとに、ユーザーを補助するインタフェースの開発、ヒト型ロボットの制御方法、新たな教育やコミュニケーション能力の向上方法を提案します。
●コミュニケーション向上のための脳の仕組みの解明
人間を取り巻く環境は時々刻々変化しています。環境の変化にいち早く気づくための注意の仕組み、人間が新たな環境に適応するときに脳内で生じる変化、環境の変化に応じて、これまでに学習した経験を適切に呼び出す仕組みを解明しています。
脳情報解読の日常生活支援への応用
自然な環境下における脳活動を利用し、日中の見守りや介護が必要な方々の自立的な生活を支援するシステムの開発を進めています。またこれらの研究開発を通 じて、これまでの制約の大きい実験環境下では研究できなかった日常生活における自律的な行動や認知の神経基盤に迫ります。
●ネットワーク型ブレイン・マシン・インタフェ-ス
脳活動は被測定者や測定日時の違いなどによって異なるため、一般に脳情報解読のためには事前の長い訓練時間が必要となり、実用化の妨げとなっています。そ こであらかじめ大規模に脳活動データを集積したデータベースを用意し、環境センサ情報と合わせることで被測定者の状態に適合する解読情報を実時間で提供で きるシステムを構築します。そのために高速計算機を用いた高精度な解読手法や、被測定者がデータベースになくても解読するための手法、自然な環境下におけ る様々なノイズを統計的に除去する手法の開発に取り組んでいます。
意思決定の脳内機構の応用
人間の学習や意思決定のメカニズムを解明するために、脳の計算論に基づいた実験手法や解析手法の研究・開発を行っています。また我々の開発した手法や研究で得られた知見を、社会経済分野(Neuroeconomics)や、精神医学分野(Computational psychiatry)など広く社会へ応用していくことを目指します。
●意思決定の脳の仕組みの解明と社会・経済・健康分野への応用
私たちを取り巻く多くの社会問題や経済問題、健康問題は意思決定の問題と考えることができます。例えば、近視眼的な意思決定と、多重債務や肥満といった問題との関連が指摘されています。また、精神疾患患者では、健常者と異なる意思決定を行うことが報告されています。これらの社会・経済・健康問題の原因解明や予防、さらには解決法・治療法の提案を目指し、様々な状況での意思決定の脳の仕組みを解明するための実験手法や解析手法の開発を行っています。